はじめての産業連関表
産業連関表は、「どの産業が、どの産業から何を買い、誰に売っているか」を1枚の表にまとめた統計です。経済を、産業どうしの取引の網として眺められます。このページは、はじめて見る人のための入門です。用語は用語集にまとめています。
1. たとえば、3つの産業しかない国
農業・製造業・サービス業だけの、架空の国で考えます。表の横(行)は「その産業が、どこに売ったか」、縦(列)は「その産業が、どこから買ったか」です(金額は架空の数字)。
| 売る側 \ 買う側 | 農業 | 製造業 | サービス業 | 最終需要 (家計・政府・輸出など) | 産出額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 農業 | 10 | 30 | 5 | 55 | 100 |
| 製造業 | 20 | 100 | 40 | 140 | 300 |
| サービス業 | 5 | 60 | 55 | 80 | 200 |
| 付加価値 | 65 | 110 | 100 | ||
| 産出額 | 100 | 300 | 200 |
- 横に読む:製造業の売上300のうち、農業に20、製造業どうしで100、サービス業に40、最終需要に140が売られています。
- 縦に読む:製造業は、農業から30、製造業から100、サービス業から60を仕入れ、残りの110が付加価値(自分たちが新しく生み出した分)です。
- 付加価値の割合(付加価値率)は、農業65%、製造業37%、サービス業50%。仕入れの多い産業ほど、付加価値率は低くなります。
- どの産業も、横の合計(売上)と縦の合計(費用+付加価値)は一致します。
2. 実際の表は、何が違うか
- 産業の数が違います。実際の表は100以上の産業に分かれ、このサイトでは37の部門と108の産業の2段階で扱います(産業一覧)。
- 輸入があります。国内の需要は、国内の生産と輸入でまかなわれます。
- 5年ごとに作られる基本表(このサイトでは2011・2015・2020年)と、その間の年を推計する延長表(2021・2022年)があります。
3. このサイトの使い方
4. 読むときの注意
- 金額は「兆円」で表示しています。名目は、その年の価格での金額、実質は、物価の変化を除いた量の変化です。成長率は実質で見ます。
- 表は、取引を産業の単位でまとめたものです。個々の会社の動きは分かりません。
- 「仮説」と書いた文章は筆者の推測です。統計から確定できる事実ではありません。
よくある質問
産業連関表は誰が作っているのですか?
総務省を中心とする複数の府省庁が共同で、5年ごとに作成しています(基本表)。経済産業省が、基本表のない年を推計した延長産業連関表を毎年作っています。
産業連関表からは何が分かりますか?
ある産業が、どの産業から何を仕入れ、どの産業に売っているかが分かります。そこから、産業の規模、付加価値の大きさ、輸入への頼り方、ある産業の需要が他の産業にどれだけ波及するかを計算できます。
このサイトの数字は最新ですか?
産業連関表そのものは、基本表が2020年、延長表が2022年までです。2023年以降は、日本銀行・経済産業省・財務省の月次統計で補った「最新動向」のページで確認できます(毎週自動で更新を確認しています)。
このサイトの分析は投資の参考にできますか?
できません。個人が趣味で行っている統計の分析で、「仮説」と書いた部分は筆者の推測です。投資や経営の判断の根拠にはしないでください。