最新動向:2023〜2026年

産業連関表は2022年までです。その後の動きを、日本銀行の月次・四半期統計で補います(2026年8月分まで)。サービスの価格、デジタル関連の海外への支払い、エネルギーの価格の3つを見ます。

1. 企業向けサービスの価格(2020年=100)

企業が企業から買うサービスの価格指数(企業向けサービス価格指数)。産業マップの「対事業所サービス」「情報通信」に近い領域です。

読み取り(2022年12月→2026年8月): 総平均は103.2→115.4(+11.8%)。技術サービスが+21%と最も上がり、職業紹介・労働者派遣が+11.8%、情報サービスが+11.7%、通信が+8.2%、専門サービスは+3.4%でした。人手不足や、システム・設計の需要の強さが、外注の単価に表れている可能性があります(仮説)。

2. デジタル関連の海外への支払い(兆円)

国際収支の「通信・コンピュータ・情報サービス」。クラウド、ソフトウェア、システム開発などへの、海外との受け払いです。

読み取り: 支払いは2019年の2.4兆円から2025年の4.6兆円へ約1.9倍。受取(0.8→2.2兆円)も増えていますが、赤字(ネット)は1.6兆円から2.4兆円に広がりました(2024年は2.6兆円で最大)。「国際比較」ページの、デジタル仕入れの輸入比率の上昇と整合します。専門・経営コンサルティングの赤字も、1.1兆円から2.5兆円に拡大しています。生成AIによる部分は、この統計からは切り分けられません。2026年は1〜8月の累計です。

3. エネルギーの価格(国内企業物価、2020年=100)

読み取り: 電力・都市ガス・水道は、2022年12月の168.6から、2023年9月に121.7まで下がり、2026年8月は143.5です。石炭・原油・天然ガスは258.6→177.9、石油・石炭製品は2026年8月に178.5と、期間内で目立つ水準でした。産業連関表の2022年(エネルギー高騰の年)から、高止まりしつつ落ち着いたあと、再び上がっている姿です。

4. 活動量(経産省 第3次産業活動指数、2019-2020年平均=100)

価格ではなく量(サービスの活動の大きさ、季節調整済み)。2026年7月分までです。

読み取り(2022年12月→2026年7月): 情報通信業は107.4→120.9(+12.6%)。内訳ではインターネット附随サービス業が+27%、ソフトウェア業が+19%と伸びています。職業紹介・労働者派遣業は+26%。一方、技術サービス業は94.4→89.9(−5%)と、量は減っています。価格(節1)が+21%上がっているので、「需要があるのに供給が足りず、単価だけ上がっている」状態の可能性があります(仮説)。情報サービスと派遣は、価格も量も上がっていて、需要の強さが表れています。

5. エネルギー輸入:量と円建て単価(財務省 貿易統計、2019年=100)

輸入数量

円建ての単価(輸入額÷数量)

読み取り: 鉱物性燃料の輸入額は、2019年の17.0兆円から、2022年の33.7兆円へ約2倍になり、2025年は22.1兆円まで戻りました。数量は原油が2019年比で−21%、LNGが−16%、石炭が−13%と減っているので、輸入額の増減の大半は単価(円建て)の動きです。単価は2022年のピークから下がっても、2025年で原油1.5倍、LNG1.6倍、石炭1.5倍と、2019年より高い水準にあります。円安の影響も含まれます。2026年1〜8月の鉱物性燃料の輸入額は16.1兆円で、2025年同期(14.9兆円)より約8%多くなっています(8月は速報)。

おまけ(デジタル機器): パソコンなど電算機類の輸入額は、2019年の2.2兆円から2025年の3.9兆円へ(+75%)。数量はほぼ同じなのに、円建て単価が約1.9倍になっています。

方法と注意